【フエルコ MGH900-6S】は、『足場の高い場所が多い防波堤や漁港用の、ライトな長尺ロッドが欲しい!』との想いで、フエルコと共同開発したロッドです。
設計・生産・販売は全てフエルコが受け持ってくれましたが、ロッドの仕様については、ほぼ私の希望通りに作って頂けました。(本当に感謝しています。)
【フエルコMGH900-6S】がリリースされるまでの経緯
【フエルコ MGH900-6S】の3つの特徴
についてお伝えしますね。
【フエルコMGH900-6S】がリリースされるまでの経緯
ウルトラライトクラスで長め(9フィート前後)のメバリングロッドが探しても見つからない
漁港や防波堤でメバリングやアジング等をしていると、足場が高い場所が多いので、6~7フィート程の長さの通常のメバリングロッドでは『ちょっと短いなあ。』と感じる事が多く、長めのメバリングロッドが欲しくなり探してみても、ウルトラライトクラスのソリッドティップの長めのメバリングロッドが見当たらない・・・。
やっと見つけた!と思った9フィート前後のロングメバリングロッドも、チェックしてみると尺メバル用のガチガチのチューブラーのメバリングロッドで、漁港や防波堤で釣れるレギュラーサイズのメバル(13~18センチ程)には見合わないヘビークラスのロッドばかりでした。
海上釣り堀ロッドの開発がメバリングロッドを制作する契機に
その後、『ずっと欲しい!』と思っていたのですが、メーカーからはウルトラライト(ソリッドティップ)のメバリングロッドは出る事はなく、月日が経過していき、2021年1月頃、あるきっかけから、海上釣り堀のロッドを開発する事となり、海上釣り堀ロッドをリリースする事に。
海上釣り堀ロッドの開発・リリースの経験から、ロッドを設計・生産しているメーカーが協力してくれるならロッド制作は思ったよりは難易度が低い事が分かったのです。
この経験から、『もしかすると、自分の理想とするメバリングロッドを作ってもらえるかも・・・』と思い始めました。
海上釣り堀ロッドについて気になった方はこちら(海上釣り堀ロッドの開発裏話の記事へ)
パックロッドメーカー【フエルコ】にロッド制作の打診をしてみました
この頃から、私はフエルコのパックロッドを使用する事が多くなっており、(時々遠征もするのでパックロッドだと普段の釣りと遠征時共に同じロッドが使える為。)
フエルコのロッドの調子が、基本的にレギュラーファーストで気持ちよく曲がってくれるのが自分の好みだった事から、ロッド制作の打診は【フエルコ】に依頼してみる事に。
【フエルコ】から快諾を得る事が出来、ロッドをリリースする事が出来ました
フエルコの代表、高田さんに電話し、『ウルトラライト(ソリッドティップ)のロングメバリングロッドを作って欲しんです。』との話をしてみると、快く会って話を聞いてくださる、との事。
2021年2月下旬、フエルコの会社にて、代表者の高田さんと話をした結果、私主導の開発にてロッドをリリースしてくれる、との回答を得る事が出来、試作ロッドの作成、実釣テストを経て、無事に2022年12月下旬、【フエルコ MGH900-6S】として、ロッドをリリースする事が出来ました。
では、次は【フエルコ MGH900-6S】の特徴をお伝えしていきますね。
【フエルコ MGH900-6S】の3つの特徴
特徴1 15センチのメバルがかかってもグングン曲がり、魚の引きが楽しめる
感度と操作感が犠牲にならないギリギリまでロッドを柔らかく作る事で、9フィートのロングロッドでありながら、15センチ程のメバルがかかってもグングン曲がり、その引きを楽しめるロッドに仕上げる事が出来ました。
小型のメバルだけでなく、15~20センチ程のアジや夏のケンサキイカなんかにもピッタリなロッドです。
特徴2 バットが粘るので不意な大型魚にも十分対応可能
本当はもっとロッドが曲がる仕様にしたかったのですが、バットを柔らかくし過ぎると、感度と操作感が全く無くなってしまうので、ティップ~ベリー部分が柔らかく、バット部分が固い形に。
感度と操作感の為にバットが固い仕様となったのですが、結果的にバットが固い事で、メバリングやアジングをしている時に、40~50センチ程のシーバスがかかっても余裕を持って取り込みできるだけのパワーがあるロッドとなりましました。
ティップ~ベリー部分が柔らかいので、魚の引きの衝撃を和らげてくれて、首振り等されてもラインテンションが緩む事がなく、常に魚にプレッシャーをかけ続ける事が可能です。
常にロッドが追従してくれる事から、バレる事が少なくなり、ロッドが急な衝撃を吸収してくれるので、メバリングやアジングで使用している細いラインでもあまりドラグを緩めずに取り込めます。
また、23センチ以上の大型のメバル相手の場合でも、ロッドの長さによるロッドのタメとバットパワーで根に潜られにくいロッドとなりました。
大型のメバルを狙う場合は専用のヘビー仕様のメバリングロッドを使ってもいいですが、ヘビー仕様のメバリングロッドと違い、しっかりロッドを溜めてやりとりが可能で、メバルのサイズに対してギリギリの強度のラインを使用している時はヘビー仕様のメバリングロッドと比較するとラインブレイクが少なくなります。
細いラインで大型メバルを狙う時にも使えるロッドに仕上がりました。
何故15センチのメバルの引きが楽しめる柔らかさなのに大型魚も相手に出来るロッドなのか?
何故15センチのメバルの引きが楽しめる柔らかさなのに、大型魚も相手に出来るロッドなのか?ですが、これは9フィートというロングロッドだから出来る事です。
ベリー部分までを曲げると、ベリー部分まではグングン曲がるので小さなメバルでも楽しめます。が、固さのあるバットまでしっかりパワーを乗せると、大型のメバルやシーバス相手にも負けない強さのロッドとなります。
9フィートというロングロッドの特性から、ベリーとバット部分の固さが大きく違っても、ロッド全体のアクションが破綻せずに小さい魚から大きい魚までは幅広い魚の引きが楽しめるロッドにする事が出来ました。
特徴3:パックロッドで持ち運びも楽々&修理が楽に
【フエルコ MGH900-6S】は6ピースのパックロッドです。(仕舞寸法50.4cm)パックロッドにした理由は2つあります。
パックロッドにした理由1:パックロッドだと長くてもサブロッドとして持ち運びやすい
1つ目は【サブロッドとして持っておく時の携帯性】です。
私は開発者で自分の理想のメバリング・アジングロッドを作ってもらったので、【フエルコ MGH900-6S】がメインロッドなのですが、
大半のメバリング・アジングをしている釣り人にとっては、メインはもっと短くて高感度なロッドを使っていて、足場が高くてやりにくい場所や、風が強く吹いて海面にロッドティップを近づけないと糸フケして釣りづらい、といった時に使いたいサブロッドになるのでは、と考えています。
ただ、9フィートの長さになると2ピースロッドでも約140cm程の長さになり、持ち運びが大変です。ですが、パックロッドにして仕舞寸法が約50cm(仕舞寸法50.4cm)となれば、少し大きめのバッグなら入れる事が出来、『使わないかも?』といったサブロッドとしても、とても携帯しやすくなるから、パックロッドにしました。
パックロッドにした理由2:ロッドティップが折れた時に安めの値段ですぐに交換(修理)出来るから
2つ目は【ロッドティップが折れた時に安めの値段ですぐに交換(修理)出来る】から、です。
繊細なソリッドティップは、ぶつけたりして、折れたりしがちです。これが通常の2ピースのロッドの場合、ティップが折れた場合は1ピース分を交換しないといけなく、場合によっては丸ごと購入した方が安い事があったりする事も。
ですが、パックロッドの場合は、複数あるピースの内の先端部分を購入すればいいだけ、です。購入なので修理に出す必用も無いですし、費用も2ピースロッドと比較してかなり安くなります。
【フエルコ MGH900-6S】の場合、6ピースロッドでティップ部分の価格は7590円(税込・2022年12月時点)となっています。
【フエルコ MGH900-6S】は超高感度ロッドではありません
【フエルコ MGH900-6S】は、【レギュラーメバルでも引きが楽しめるロングロッド】がコンセプトとなっています。
その事からティップ~ベリー部分を柔らかく作っている為、超高感度なロッドではありません。メバルのアタリを感じる事が出来るくらいの感度はありますが、カリカリのメバリング・アジングロッドの様な超高感度ではないので、その点は注意して下さいね。
ソリッドティップ部分は固すぎず、柔らかすぎずで感度と食い込みを両立させています
ソリッドティップ部分の固さは通常のメバリングロッドとほぼ同等。固すぎず、柔らかすぎずの固さで、レギュラーサイズのメバル(15センチ程)の吸い込みでも弾かずにしっかり食い込んでくれますよ。
超軽量・超高感度ではないですが取り扱いやすく作りは丈夫
【フエルコ MGH900-6S】は、全体的に細く作られており、軽量化も可能な限りしています。
ですが、9FTのパックロッドという事もあり、他のメバリング比べて決して軽いロッドではありません。(ロッド重量:約130g)
軽量化はしていますが、感度を追求しているロッドではなく、メバリングだけでないライトルアーゲーム全般に使用する事を想定して作られているので、超高感度ロッドと比べるとやや肉厚に作られています。
ギリギリまで軽量化された超高感度ロッドは使っていて楽しいですが、その分取り扱いも慎重にしないといけなく、気を遣います。【フエルコ MGH900-6S】はある程度丈夫に作られているので、気軽に使えます。
ロッドのテーパーは【レギュラーファースト】。極端なファーストテーパーのロッドでないので、ソリッドティップのロッドながら幅広い釣りに使えるのも魅力です。
0.5g~3.0gぐらいまでのジグヘッドやプラグ、3~10gくらいまでのキャロライナリグやフロートリグまで幅広い釣りに使えるのも良い点となっていますよ。
フエルコ MGH900-6S
実際にどのくらいロッドが曲がるのか?動画で確認!
『15センチクラスの魚でもグングン曲がる!』と言っても実際に見てみないと良く分からないと思うので、テスト釣行時に撮った動画から、ロッドの曲がりが分かりやすい動画をピックアップしました。
15センチ程のメバルに、アジ(18センチ程)と小型のケンサキイカ釣っている動画、それと良型メバル(25センチ程)やシーバス(50センチ程)を釣っている動画をUPしています。
レギュラーメバルが釣れている様子(3匹分)
レギュラーメバル(約15センチ)が釣れている様子です。(3匹分:約48秒)
アジが釣れている様子(3匹分)
18センチ前後のアジが釣れている様子です。(3匹分:約38秒)
小型のケンサキイカが釣れている様子(3杯分)
ショア(陸っぱり)から小型のケンサキイカが釣れている様子です。(3杯分:約50秒)
良型メバル(約25センチ)が釣れている様子
良型メバル(約25センチ)が釣れている様子です。(約35秒)
シーバス(約50センチ)が釣れている様子
シーバス(約50センチ)が釣れている様子です。(約35秒)
今までありそうで無かったコンセプトのメバリングロッドです
昨今のメバリング・アジングロッドは、【高感度、軽量化、ショートロッド化】が主流となる中、ウルトラライト(ソリッドティップ)のロングロッド(9FT)というマニアックなロッドとなっています。
このロッドが欲しいと思う方はきっと少ないとは思いますが、私の様に、『こんなロッドが欲しかった!』という方も一定数いると感じています。
マニアックなコンセプトのメバリングロッドですが、使用してみると小さいメバルから大型のメバルまで幅広く対応でき、足場の高い防波堤はもちろん、ロングロッドである事からテトラ帯等でも扱いやすいロッドとなっています。
もし、このロッドが気になったなら、一度手に取ってみて下さいね。