海上釣堀脈釣りロッドの高感度穂先と言えば、メタルトップもしくはカーボンソリッドかのどちらかになると思います。
なので今回、メタルトップ穂先とカーボンソリッド穂先の代表といっていい2種類のロッド
「クラブブルーキャビンメタルチューンS-300」と「釣りおじさん即掛脈釣りSP290」
を実釣で釣り比べてみました。(実釣している釣行記事はこちら)
メタルトップ穂先とカーボンソリッド穂先との特徴
「目感度・手感度・食い込み・操作性・持ち重りの少なさ・折れにくさ」の6項目で比較
についてお伝えしますね。
メタルトップ穂先とカーボンソリッド穂先との特徴を紹介
まずは最初に、メタルトップ穂先とカーボンソリッド穂先との特徴を紹介していきますね。
メタルトップ穂先
・手感度はカーボンソリッドよりやや上
・小さいアタリでも取りやすいが大きいアタリでも同じ様に伝わるので強弱の差は分かりにくい
・金属なので穂先が重い
・低温になると使えなくなる場面がある
カーボンソリッド穂先
・メタルトップより手感度はやや低い
・アタリの強弱の差が分かりやすい
・穂先が非常に軽い
・低温でも問題なく使用可能
ブルーキャビンS-300と即掛SP290とを比較してみました
何故「ブルーキャビンS-300「と「即掛SP290」を比較したのか?
今回なぜ、ブルーキャビンメタルチューンS-300と即掛SP290を比較対象としたのか?というと、
・メタルトップ穂先、カーボンソリッド穂先で最も有名なのが、ブルーキャビンメタルチューンと釣りおじさん即掛シリーズである事。(2025年1月時点)
・以前の海上釣堀の釣り大会で3位入賞しまして、その賞品が「ブルーキャビンS-300」だった事。
・私が「釣りおじさん即掛シリーズの開発・販売元」である事から釣りおじさん即掛シリーズは全種持っており、「ブルーキャビンメタルチューンS-300」に合わせるのに最も長さが近いロッドが「釣りおじさん即掛脈釣りSP290」であった事。
から、となりますよ。
「メタルチューンS-300」と「即掛脈釣りSP290」の穂先を6項目で比較
それでは、「ブルーキャビンメタルチューンS-300」と「釣りおじさん即掛脈釣りSP290」のそれぞれの穂先の違いを
「目感度・手感度・食い込み・操作性・持ち重りの少なさ・折れにくさ」の6項目で比較していきますね。
(※ブルーキャビンメタルチューンS-300を主体にして比較しています。)
手感度の比較
手感度ですが、メタルトップを使っているだけあり、グラスソリッドでも「ブルーキャビンメタルチューンS-300」はちゃんと手感度あります。
ただ、全体的な手感度で比べると「釣りおじさん即掛脈釣りSP290」の方がよりはっきり感じる事が出来ました。
即掛脈釣りSP290の方がメタルチューンS-300より全長が10cm短く、その分即掛脈釣りSP290の方が手感度が上なのはあるのですが、長さの差10cm分以上の感度の差を感じました。
メタル部分が約4cm(銀色の部分)と短く細いので、思っていたよりもメタルトップの特性がでていないのかな、と感じました。
ただ、グラスソリッドのみの場合、手感度は無いに等しいので、メタルトップの恩恵は十分に受けていると感じています。
目感度の比較
上の画像3枚は上から順に「オモリ無し」・「2号オモリ」・「4号オモリ」を引っ掛けた時の画像です。
(※手前がメタルチューンS300・奥が即掛脈釣りSP290)
目感度ですが、「ブルーキャビンメタルチューンS-300」は穂先が全体的にハリがあり、あまり曲がらないので目感度は良くないです。
画像を見ると、「ブルーキャビンメタルチューンS-300」より「釣りおじさん即掛脈釣りSP290」の方が曲がっています。
「ブルーキャビンメタルチューンS-300」場合、ついばむようなアタリの場合、ほぼ穂先が曲がらず、手感度のみに頼る事となり、アタリに気付かず食い込んでから気付く場面もありました。
「釣りおじさん即掛脈釣りSP290」はカーボンソリッドながら極細穂先で曲がる為、目感度もそれなりにあります。
食い込みの比較
食い込みですが、「ブルーキャビンメタルチューンS-300」は穂先全体的に張りがあり食いこみに不安がありました。
ですが、そこはグラスソリッドだけあり、食い込みは良好。魚に弾かれる様な事は無かったです。
「釣りおじさん即掛脈釣りSP290」の方も食い込みは特に弾かれる様な事は無く、食い込み具合については「ブルーキャビンメタルチューンS-300」とほぼ同じくらいと感じました。
操作性の比較
操作性ですが、「ブルーキャビンメタルチューンS-300」はとても操作性が高いです。グラスソリッドなのに穂先全体がしっかりしているので、キビキビとエサを操作する事が可能です。
重たいオモリ(2号ほど)を使っても穂先がオモリの重さに負けないので、重い仕掛けでも積極的に仕掛けていく事ができますよ。
「釣りおじさん即掛脈釣りSP290」も張りのある方の穂先ですが、「ブルーキャビンメタルチューンS-300」と比べると操作感は劣ります。特に重いオモリ使用時(1号以上)だと、その差はよりはっきりでました。
持ち重りの少なさ比較
メタルトップの穂先は重いので気になるのは「持ち重り」。「ブルーキャビンメタルチューンS-300」の場合、メタル部分が少なく細い為、持ち重りは気にならないレベルでした。
「釣りおじさん即掛脈釣りSP290」はカーボン穂先という事で、「ブルーキャビンメタルチューンS-300」と比べるとかなり軽く感じます。
片方だけ使っていると気にならないレベルですが、交互に使い分けると「釣りおじさん即掛脈釣りSP290」の方が持ち重りは少ないのが感じ取れました。
穂先の折れにくさの比較
穂先の折れにくさの比較です。実際に両方の穂先を折っている訳でないので、あくまで使用している時の印象となります。
「ブルーキャビンメタルチューンS-300」はトップ部分がグラスソリッドの上、脈釣りロッドの割に少し太目です。細いトップ部分はほぼ折れる事のないメタル素材なので、脈釣りロッドの穂先としてはトップクラスに折れにくい印象を受けました。
対して「釣りおじさん即掛脈釣りSP290」は手感度と目感度をカーボンで出すためにギリギリの細さ(穂先0.65mm)となっているので、「折れやすいカーボン素材+極細穂先」となっており、海上釣堀の脈釣りロッドの中でも最も折れやすい、と言ってもいいと思います。
「釣りおじさん即掛脈釣りSP290」はもちろん通常の使用では折れない設計にはなっていますが、取り扱いには注意が必要、という事ですね。
穂先のトータルバランス比較
(10段階評価:1が最低10が最高点数)
即掛SP290:総合点数38点
手感度:8…一部ロッドにより固く太い高感度のカーボン穂先のロッドがあるのでこの点数です
目感度:7…目感度が高いより曲がる穂先もありますが、十分な目感度があります
食い込み:7…極細にしているのでカーボンの割にしっかり食い込みます
操作性:7…操作感は良好ですが穂先がそれなりに曲がるのでこのくらいの点数です
持ち重りの少なさ:8…極細カーボン穂先なのでかなり軽く感じます
折れにくさ:1…極細カーボン穂先なので数ある穂先の中でも最も折れやすいと思います
総合点数:38点
メタルチューンS-300:総合点数39点
手感度:6…流石のメタルトップなのでグラスソリッドながらちゃんと手感度があります
目感度:4…グラス部分がしっかりした作りであまり曲がらず目感度は低めです
食い込み:7…太目でハリのある穂先ですがグラスだけあってアタリは弾かずしっかり食い込みます
操作性:9…穂先~ベリー部分がそれなりにハリがあるので操作感は抜群です
持ち重りの少なさ:5…メタルトップとは思えない軽さ。でも流石に少し持ち重りはします
折れにくさ:8…グラス部分が太く細い部分はほぼ折れないメタルなので折れにくそうです
総合点数:39点
まとめ:丈夫さと手感度のバランスなら「メタルチューン」高感度重視なら「即掛SP」がオススメ
比較結果からまとめると
丈夫さと手感度のバランス重視:ブルーキャビンメタルチューン シリーズ
高感度重視:釣りおじさん即掛 シリーズ
が良い、という事ですね。
より良いロッド選びの参考になれば幸いです。
動画でもお伝えしています
ほぼ同じ内容を「YouTube動画」でもお伝えしています。「ちょっと文章読むのはしんどいなあ。」と思った方は動画を観てくれると嬉しいです。
HAPPY ANGLER 釣りおじさん 即掛 脈釣りSP290
「即掛 脈釣りSP290」は「即掛 脈釣りSP350」より全長を短くした事で感度と取り回しを良くしたチューンドモデル。
「即掛 脈釣りSP350」より約60cm短くした事で感度が上がり、短く軽くなった事により取り回しが良いです。
ロッドが短い分取り込みが早く確実に可能で、モーニングや大会時に僕はよく使っています。
あと290cmは際釣りでも邪魔にならない長さなので、際釣りにも余裕で対応。
ただ、短い分大きなイケスの中央部は攻める事が難しいです。
中央を攻める様に長めの脈釣りロッドかウキ釣りロッドを別に用意しておいて2本セットで運用するなら一番扱いやすい脈釣りロッドと感じています。
「釣りおじさん 即掛 脈釣りSP290」について詳しい説明は公式HPへ
ダイワ クラブブルーキャビンメタルチューン S-300
メタル穂先とグラスソリッド素材と組み合わせる事で手感度と食い込みのバランスを上手く取っています。
メタルトップという事で「持ち重り」が気になる所ですが、そこはダイワのハイエンドモデルだけあり、メタルトップとは思えない軽さです。
ただ、メタルトップ自体が重いので極細グラス・極細カーボン穂先のロッドと比べると少し持ち重りはします。
あと穂先は結構固め。先の部分以外はグラスソリッドなので食い込みには問題はありませんが、重いオモリを使ってもあまり穂先が曲がらないので、目感度(穂先の曲がり)優先の方は少し扱いにくいかもしれません。
グラスソリッドの割に張りがあるので、誘いはとてもかけやすいです。メタル部分があるので手感度もちゃんとありますよ。
ロッドパワーは「S」という事もあり、青物相手ではちょっとパワー不足。(当たり前)ですが、取り込めない程パワーが足りない、という事は無いです。
ロッドはレギュラーテーパーで、魚の引きをしっかり吸収してくれるので真鯛やシマアジ相手でしたら、バラシが少なくなりそうですね。
「ロッドを満月にして楽しみたい」ならS-300はいいですよ。